本文へスキップ

全国相続協会 厚木市戸室相談室です。

電話でのご予約・お問い合わせはTEL.046-205-0230

〒243-0031 神奈川県厚木市戸室4-15-5

相続と遺言書 a Will

遺言書と遺書

「遺言書」は「遺書」ですか?

「早く遺言書を書きましょう」とお話しすると、「とんでもない!体はどこも悪くないよ、ほらこの通りぴんぴんしているし、まだ死ぬつもりは無いよ」とおっしゃられる方がいらっしゃいます。
時には怒りの目で、時には「縁起でもない」という言葉と共に。

実は、そうおっしゃられる方たちはちょっとした勘違いをしていらっしゃるのです。
その方たちが考えられているのは「遺書」です。「遺書」と「遺言書」を混同されているんですね。

確かに、「遺書」イコール「遺言書」という考え方もありますが、後ほどお話をさせて頂く「遺言書」は「遺書」とは全く別のものです。

普通「遺書」という言葉にはどんなイメージがあるでしょうか?

私は今春(平成26年3月)鹿児島県の「知覧特攻平和会館」に行って来ました。
およそ、一月前の「行政書士記念日市民公開講座」で「なんでも鑑定団」に出演されている北原照久さんの講演があり、知覧の特攻平和会館のお話を伺ってどうしても行ってみたくなったのです。
その前にも「永遠のゼロ」という映画を見て、「特攻」というものに関心が生じてもいました。

20歳前後の青少年たちが、どんな思いで特攻をしていったのか。「お国のため」と書いてあっても本心は絶対違ったと思います。両親を思い、家族を思い、友を思い、逃れられない運命を思い、書かれたものだと思います。
館内には1036柱の遺影の下に「遺書・手紙・辞世・絶筆」が展示されていました。
入口に近いの数名の方の遺書を読んでいるうちに、涙で読めなくなってしまいました。

「遺書」とは、まだ生きたい。けれど生きられない。様々な理由で死を迎えつつある人が、残される人達に自分の思いを伝える最後の言葉=手紙だといえます。

相続と遺言書

家制度から平等な個人主義へ

第二次世界大戦(太平洋戦争)が終わり、日本の法律は憲法を始めとして、それ以前のものから大幅に変わりました。男女同権、平等という考え方が打ち出されました。
民法も大改正が行われましたが、その根本的な考え方は、「家制度」から「個人の尊重」です。

それまでの日本人が習慣法として守ってきた「家制度」は「家」の存続を第一に考えるもので、先祖代々、子々孫々、「家」が永遠に栄えて血統が続くよう願うものでした。

私が相続関係を調べるために戦前にまで遡って戸籍を調べたところ、家族は戸主(世帯主である長男)のもと、一つの戸籍に次男以下の兄弟その妻子、未婚の姉妹が一緒に記載されていました(世帯分離をして一家を構えることも出来たようですが)。
昔は兄弟が多く、長兄が弟妹の面倒を見ることが普通でした。長じて両親は高齢となった後は長男が親代わりになって弟妹を育て、一家を支えるという家族形態が多かったようです。
また、男子のいない家では、養子を迎えて「家」を守りました。

このため、旧民法の下では一部の資産家、旧家以外では、相続争いはほとんど生じなかったのです。

新民法では、個人主義、平等主義がうたわれ、長男も、次男も、長女も、次女も平等となりました。
みんな等しい権利を主張できるようになりました。
戦後しばらくの間は、それまでの習慣法によって長男(戦争等で亡くなっていれば、次男以降)が相続をして、そのほかの兄弟姉妹は相続放棄をする。という形が多かったようです。戦前の旧法の下、親代わりとなって私たちを育て、守ってくれたのだから。という思いも強かったためでしょう。
場合によっては、弟たちに多少の一時金を渡す人もいました。


遺言書の重要性

しかし、21世紀となり、戦前生まれの方は少数派となり、戦後の平等教育を受けた人たちが大多数となった現在、兄弟は少なく一人っ子も多いですよね。
また、「家」の意味も大分変ってきました。
生涯独身で、子供のいない方も大勢いらっしゃいます。

そこで重要になって来るのが「遺言書」です。
今の民法では、「遺言書」を残しておかないと、民法という法律が出しゃばってきます。相続は法律に基づいて分配されるのです。
被相続人の思いに関係なく、法律が相続を決めてしまうのです。
そして、相続人が全くいない方の築き上げた財産は国のものになる。と法律は定めています。

それで構わない。という方は「遺言書」を書かなくて結構です。
もうこれ以上読んでいただいても時間の無駄です。

それはちょっとどうかな?とお考えの方は続きを読んで下さい。

強制法規以外は、個人の意思表示が無い時にだけ現れてきます。あなたが決められないのなら、法律が判断しましょうと。
余計なお世話ですよね。

相続と遺言書

「遺言書」は個人の意思表示です。
「長男にはこの会社を継いでもらいたい。」
「長女は私と一緒に家内の看病をずっとやってもらったから、この自宅を譲りたい。」
「三男はまじめに働こうともせず、私に隠れて随分とお母さんに小遣いを無心していたそうだから、少なめにする。○○信託銀行に預けている預金を毎月○万円ずつ5年間受け取れるように手続きをした。」
「次女の可愛い孫二人に○○○万円ずつ遺贈する。毎年春と秋にはお墓参りに来ておくれ。」
「私が長年お世話になった老人福祉施設○○に△△銀行の定期預金すべてを遺贈する。」

など様々なことを自分の考えで決めることが出来ます。(注)
他にも、ご自身の思いを「付言」という形で伝えることもできます。

出来れば、「公正証書遺言」にして、「遺言執行人」を決めておけば、あなたの「遺言書は」まずは万全なものとなるでしょう。

 (注):相続人には原則として「遺留分」という相続財産をもらえる権利があります。遺留分を侵害した「遺言」は取り消されることがあります。
たとえば、妻子や両親がいるのに「私の財産はすべて○○教団本部に寄進する。」という遺言を作成しても、兄弟姉妹以外の相続人は(遺留分を限度に、知ってから一年以内に)取り消すことが出来ます。
他にも法律が強制力を行使しうる規定がいくつかありますのでおいおいご説明していきたいと思います。

「遺言書」にはもう一つ大事な役目があります。
「争族」の予防です。
「争族」という言葉を最近よく耳にしませんか?
「相続」を契機に仲の良かった兄弟がいがみ合いをして絶縁関係になってしまうことが多くなっているそうです。
決してお金持ちだけのお話ではありません。相続争いの裁判で相続財産総額が5,000万円以下のケースが7割以上だそうです。わずか60万円ほどの財産で争われたケースもあります。
「争族」争いは、財産争いでは無いんです。

「何で兄貴だけ・・・」「私は一生懸命病気のお母さんのお世話をしたのに、なんで他の兄弟と同じなの?」「私は高卒で家業を継いで弟たちを大学に行かせてあげたのに(弟たちは兄貴だけが実家を継いでしまって。と思っているかもしれません)」「私は女だから?弟ばかり可愛がって」
理由は様々ですが、みんな納得できないんです。
なぜ?どうして?子供たちが理由を聞きたくても、もうあなたはこの世にいませんよね。

「付言」そしてまとめ

そんな疑問に応えるためには「遺言書」の「付言」が絶大な力を発揮します。
「これこれだから、あなたにはこれだけ、これを相続させます。」
「あなたには留学の費用を出してあげたし、会社を作るときにもまとまったお金を出してあげたけど、兄さんは一言も文句を言わず、出資までしてくれたでしょ。」
「私が入院している間の入院費用は他の兄弟が出してくれたんだよ。看病をしてくれたあなたには本当に感謝するわ。ありがとう、他の兄弟たちも家庭の事情や仕事でなかなか見舞いに来られないけれど、あなたにばかり大変な思いをさせて申し訳ない、本当に感謝しているって、私があなたに時々あげていたお小遣いも、みんなが出し合ってくれたお金なの。」・・・
と「遺言書」に書いてあれば納得できますよね?

このように財産分けの事だけでなく「想いを伝える」のが付言です。
「遺言書」を作るときには必ずあなたの「想いを伝える」付言を付け加えて下さい。
そうすればきっと「争族」争いは起きないと思います。
あなたが「遺言書」を作っておけば「相続」は「想族」になります。

財産の行先は決まった。相続争いは心配ない。となったらもう心配事はほとんど無いですよね。
心配なければ、食欲旺盛、元気溌剌、健康でいられる。そしてますます長生きできる。
それが「全国相続協会相続支援センター」のめざすところです。
「遺言書セミナー」で使用する教材「幸せをつかむ、遺言書の書き方」には「新老人の会」会長で、「聖路加国際病院」理事長の日野原重明先生の《推薦のことば》「遺言書は、大切なひとへの愛のメッセージです。」とあります。
それでは、さっそく「遺言書」を書いて幸せになりましょう。

Atugi Tomuro office全国相続協会 厚木市戸室相談室

〒243-0031
神奈川県厚木市戸室4−15−5
TEL 046-205-0230
FAX 046-224-1604
mail eje3378aj@gmail.com

inserted by FC2 system